五十肩のセルフケアの一例
特に肩を強く使った覚えがないのに、
ある日突然、腕が上がりにくくなったり、動かすと強い痛みを感じることがあります。
40代〜50代に多く見られることから、一般的に「五十肩」と呼ばれています。
五十肩では、
- 夜、肩の痛みで眠れない
- 少し動かすだけでズキッと痛む
- 洋服の脱ぎ着や、背中に手を回す動作がつらい
といった日常生活への支障が出やすくなります。
ここでは、五十肩のセルフケア方法の一例として、遠絡療法の考え方を応用したケアをご紹介します。
痛む動きによってセルフケアのポイントは変わる
五十肩の特徴の一つは、
「どの方向に動かしたときに痛むか」によって、負担がかかっている部位が異なる点です。
ここでは、次の3つのケースに分けて説明します。
- 腕を前に上げようとすると、肩の外側(真上)が痛む
- 腕を後ろへ引こうとすると、肩の前側が痛む
- 腕を内側へ動かそうとすると、肩の後ろ側が痛む
それぞれの場合に応じたセルフケアのポイントを見ていきましょう。
① 腕を前に上げると、肩の外側が痛む場合
腕を前方へ挙げるときに、
「肩の真上〜外側」にかけて痛みが出る場合のセルフケアです。
セルフケアを行う側
- 痛む肩と反対側の足を使います
(例:右肩が痛い → 左足)
姿勢のとり方
- 椅子や床に座り、足裏が見えるように膝を曲げます
- 足首の力は抜き、リラックスした状態で行いましょう
押圧ポイントの位置
Cポイント
- ふくらはぎの曲線を上からなぞり、すねの骨に当たる位置から
指半分ほど戻ったくぼみ - このポイントはしっかりと深圧したまま固定します
Fポイント
- 足首を曲げ伸ばししたときに、足の甲側に浮き出る腱
(前脛骨筋腱)の内側 - 内くるぶしとの間にできるくぼみ
※ポイントの詳しい考え方は「遠絡療法の基礎知識」を参照してください。
ポイントの押し方
- Cポイントを深く押したまま固定
- もう一方でFポイントを押し
- そのまま土踏まず方向へ、ぐっぐっとリズミカルに30回ほど動かします
皮膚表面をこするのではなく、
くぼみをしっかり捉えて動かすのがコツです。
指が疲れる場合は、細い棒などを使っても構いません。

② 腕を後ろへ引くと、肩の前側が痛む場合
腕を後ろに引いたときや、
背中に手を回そうとしたときに「肩の前面」が痛む場合のセルフケアです。
セルフケアを行う側
- 痛む肩と反対側の足
- 押圧ポイントは Fポイント1か所
押圧ポイントの位置(Fポイント)
- ①と同じ位置
- 足首を動かしたときに見える腱の内側と、内くるぶしの間のくぼみ
ポイントの押し方
- Fポイントをしっかり捉え
- 押したまま土踏まず方向へ30回ほどリズミカルに動かします

③ 腕を内側へ動かすと、肩の後ろ側が痛む場合
腕を内側へひねる動きで、
「肩の後ろ側」に痛みが出る場合のセルフケアです。
セルフケアを行う側
- ①②と同様、痛む肩の反対側の足
押圧ポイントの位置(Fポイント)
- 内くるぶしの後ろ側と
- アキレス腱の前側にできるくぼみ
ポイントの押し方
- Fポイントを捉えたまま
- 土踏まず方向へ、ぐっぐっと30回ほど動かします
表皮を動かすのではなく、
ポイントの奥を刺激するイメージで行うと効果的です。

※「Cポイント」「Fポイント」については
👉遠絡療法とは?基礎知識と理論をわかりやすく解説
セルフケアを行う際の注意点
- 肩が強く痛む場合、押している足のポイントにも痛みを感じることがあります
- 押したときの痛みが強すぎる場合は、無理に続けないでください
- 押圧後に
- 強い腫れ
- 熱感
- 激しい痛み
が出た場合は、冷却して安静にしましょう
セルフケアに関する大切な注意事項
- ポイントへの押圧は身体に影響を及ぼす行為であり、効果や反応には個人差があります
- 病気やケガ、強い痛みがある場合は、事前に医師の診断や指示を受けてください
- 食後すぐ、飲酒時、妊娠中、体調が優れないときは自己判断で行わないようにしましょう
- セルフケア後に体調不良や痛みが出た場合は、速やかに医療機関へ相談してください
- 症状が改善しない、または悪化する場合は、早めに専門機関を受診しましょう
澁谷 年英
年英堂治療院 院長
あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
日本遠絡統合医学会 副理事長
年英堂治療院
https://www.nen-ei.com/
住所:静岡県沼津市原290-6 八郎ビル1階
TEL:055-968-3155


