東洋医学の五行説とは?季節と体調の関係を解説

東洋医学の視点 東洋医学の基礎

東洋医学の五行

季節と体調の関係の考え方

「春になると花粉症がつらい」
「夏は皮膚の症状が悪化しやすい」
「冬になると腰痛や関節痛が増える」

このように、季節によって体調が変わると感じる人は多いのではないでしょうか。

実際、臨床の現場でも

  • 春はアレルギー性鼻炎が増える
  • 夏はアトピー性皮膚炎が悪化しやすい
  • 冬は腰痛や関節痛が増える

といった傾向がよく見られます。

東洋医学では、こうした現象を偶然とは考えません。

人の体は季節や自然環境の影響を受ける

という前提で身体を理解します。

そして、その関係を説明するための考え方が
東洋医学の基本理論のひとつである

五行(ごぎょう)説

です。

五行説とは何か

東洋医学の基本となる考え方

五行説とは、自然界のさまざまな現象を

  • 木(もく)
  • 火(か)
  • 土(ど)
  • 金(ごん)
  • 水(すい)

という5つの性質に分類する思想です。

この五行説は単に自然を分類するためのものではなく、東洋医学では

  • 季節
  • 臓器(五臓)
  • 感情
  • 身体の働き

など、さまざまなものに当てはめて考えます。

例えば、季節と体の関係は次のようになります。

五行
五季土用
五臓

このように東洋医学では

自然の変化と体の働きは深く関係している

と考えます。

五行説-色体表

五行説の「相生」と「相克」とは?

五行はそれぞれ独立したものではなく、互いに影響し合っています。

その関係が

  • 相生(そうせい)
  • 相克(そうこく)

という考え方です。

相生(そうせい)

五行が互いに助け合う関係

相生とは、ある要素が次の要素を生み出す関係です。

例えば

木 → 火

木が燃えることで火が生まれる関係です。
これを 木生火(もくしょうか) と呼びます。

同じように五行は

  • 木 → 火
  • 火 → 土
  • 土 → 金
  • 金 → 水
  • 水 → 木

という順番でつながっています。

これは自然界で起こる
循環のイメージに近いものです。

相克(そうこく)

五行が互いに抑え合う関係

もう一つが相克です。

相克とは、ある要素が別の要素を抑える関係です。

例えば

木 → 土

木の根が土の働きを抑えるような関係です。
これを 木剋土(もっこくど) といいます。

この関係はイメージとしては

ジャンケンのような関係

です。

互いに抑え合うことで、全体のバランスが保たれます。

季節によって体調が変わる理由

東洋医学では、季節の変化によって
体のバランスも変わると考えます。

例えば は五行では に属します。

すると五行の関係から

  • 木 → 火を強める(相生)
  • 木 → 土を抑える(相克)

という影響が出ます。

つまり春は

  • 火の性質が強くなりやすい
  • 土の働きが弱くなりやすい

という体のバランスになりやすいのです。

春に起こりやすい体調不良

もし火の性質が強くなりすぎると、次のような症状が現れることがあります。

火が亢進した場合

  • 動悸
  • イライラ
  • 情緒不安定
  • 興奮しやすい

一方、土の働きが弱くなると

土が低下した場合

  • 食欲不振
  • 消化機能の低下
  • 気力の低下
  • アレルギー症状の悪化

といった症状が出やすくなります。

春に

  • 胃腸の調子が悪い
  • 花粉症が悪化する
  • 体がだるい

といった症状が増えるのも、このような体のバランスの変化と関係していると考えられます。

東洋医学が大切にする「中庸」

東洋医学では、体の状態は

強すぎても弱すぎても良くない

と考えます。

このちょうど良い状態を
中庸(ちゅうよう) と呼びます。

つまり

  • 弱すぎる → 不調
  • 強すぎる → これも不調

という考え方です。

季節によって体の性質は自然に変化しますが、その変化が大きくなりすぎると体調を崩してしまいます。

鍼灸などの東洋医学の施術は、こうした
体のバランスを整えることを目的としています。

季節ごとの体調管理(養生)

東洋医学では、季節ごとに体の状態が変化するため、それぞれに合った「養生(体調管理)」が大切とされています。

例えば

  • 春は自律神経が乱れやすい
  • 夏は体力を消耗しやすい
  • 秋は乾燥による不調が出やすい
  • 冬は冷えや腰痛が増えやすい

それぞれの季節には、それぞれの体調管理のポイントがあります。

季節ごとの養生についても、別の記事で詳しく紹介していきます。

まとめ

東洋医学では体を自然の一部として考える

東洋医学では、人の体を

自然の一部としてとらえる

という特徴があります。

  • 季節
  • 気候
  • 環境

これらの変化が体調に影響するのは、特別なことではありません。

五行という考え方は少し難しく感じるかもしれませんが、

「季節と体はつながっている」

という視点で見ると、体調の変化も理解しやすくなると思います。

文責

澁谷 哲平
年英堂治療院 副院長
はり師・きゅう師(国家資格)
静岡県鍼灸マッサージ師会 副理事長

沼津市鍼灸マッサージ師会 会長


年英堂治療院
https://www.nen-ei.com/
住所:静岡県沼津市原290-6 八郎ビル1階
TEL:055-968-3155

澁谷哲平(鍼灸師)