免疫力とは何か
― 東洋医学の視点から考える免疫力アップ ―
もし「免疫」という仕組みが体から無くなったとしたら、
私たちは日常生活の中で常に病気のリスクにさらされ、健康を保つことは難しくなってしまいます。
免疫は、目に見えないところで24時間休まず働き続けている
身体の自己防衛システムです。
一般に「20歳を過ぎると免疫力は低下する」と言われますが、
実際には年齢そのものよりも、生活習慣の影響がはるかに大きいことが分かっています。

免疫力とは?
「免疫(めんえき)」とは、体を守るための防御機構のこと。
- 体内で発生した異常な細胞(がん細胞など)
- 外部から侵入した細菌やウイルス
こうした“異物”を常に監視し、排除する働きを担っています。
私たちが健康を保てているのは、
免疫が静かに、しかし確実に働いてくれているおかげなのです。
免疫には2つの仕組みがある
免疫システムは、大きく分けて二段構えで働いています。
■ 自然免疫
体内に細菌やウイルスなどの抗原が侵入した際、
即座に反応する最初の防衛線です。
生まれつき備わっており、相手を選ばずに広く対応するのが特徴です。
■ 獲得免疫
同じ抗原が再び侵入した際、過去の記憶をもとに、より強力で効率的に攻撃します。
ワクチンは、この獲得免疫の仕組みを利用したものです。
自然免疫が前線、獲得免疫が後方支援という二重構造で、私たちの体は守られています。
免疫力は「生活」で決まる
免疫力は、生まれつきだけで決まるものではありません。
日々の生活の積み重ねが、免疫の働きを大きく左右します。
腸内環境を整える
人の体は、口から肛門まで一本のトンネルのような構造をしています。
腸は体内にありながら、常に外界と接している臓器です。
免疫細胞の約6割が腸に存在すると言われるのも、このためです。

体温を保つ
免疫が正常に働きやすい体温は、約36.5℃。
体温が1℃下がると免疫力は約30%低下し、逆に1℃上がると一時的に免疫力が高まるとも言われています。
東洋医学で考える「免疫力」
東洋医学では、免疫力に相当する概念を
「正気(せいき)」と呼びます。
正気とは、
- 外からの邪気(ウイルス・寒さ・湿気など)に負けない力
- 傷ついた体を回復させる力
- 健康を維持するための基礎エネルギー
を総合したものです。
東洋医学では、
免疫力=強ければ強いほど良いとは考えません。
大切なのは、
- 不足しないこと
- 滞らないこと
- 偏らないこと
つまり「バランス」が重視されます。
免疫力が落ちているときの東洋医学的サイン
次のような状態が続く場合、
正気が弱っているサインと考えます。
- 疲れやすい
- 胃腸が弱い
- 風邪をひきやすい
- 寝ても回復した感じがしない
東洋医学では、
これらは主に「脾(消化吸収)」や「肺(防御)」の働きの低下と捉えます。
東洋医学で考える免疫力アップの養生
現代医学の免疫対策と、東洋医学の養生には共通点が多くあります。
毎日の生活で心がけたい5か条
- 無理をせず、自分のペースで適度な運動
- しっかり眠り、回復する時間を確保
- 発酵食品を取り入れた和食中心の食事
- ゆっくり入浴し、体を内側から温める
- 思いきり笑い、気の巡りを良くする
これらはすべて、
正気を養い、免疫力を底上げする習慣です。
まとめ
免疫力は、特別な健康法を行わなければ高まらないものではありません。
日々の食事、睡眠、体の使い方、心の状態。
その積み重ねが、病気に負けにくい体をつくっていきます。
東洋医学の視点を取り入れることで、免疫力アップはより現実的で、続けやすい養生になります。
澁谷 哲平
年英堂治療院 副院長
はり師・きゅう師(国家資格)
静岡県鍼灸マッサージ師会 副理事長
沼津市鍼灸マッサージ師会 会長
年英堂治療院
https://www.nen-ei.com/
住所:静岡県沼津市原290-6 八郎ビル1階
TEL:055-968-3155


